店主のお気に入り③
2019年5月26日
こんんちは。店主です。
お気に入りのワインを深堀りしようというこのブログですが、第三弾になかなか手を付けられなかったその訳は、単に忙しかっただけではなく、「どうしても書きたい南アフリカワイン。だけど難題山積み。イスラエルワインやオーストリアワインと一緒。だけど触れずにいられない。」自分でもMだと思います。
昨今のワイン業界ではすっかりメジャーになった感のある「南アフリカワイン」。輸入業者の合同試飲会に行けば「南アワイン」専門の別室があったり、「南アワイン検定」が出来たり、南ア専門の輸入業者どころか、南アワイン専門店まで出来たようです。
当店も、2011年の開店直後から、結構な種類の南アワインを揃え、一時は「都内で一番揃っています」と輸入業者の営業の方から言われた事も。
南アワインの一番の魅力はコスパだと思うのですが、良いものを追及している間に、次第に、南アにしては高額なお品を棚に並べるようになり、特に安価なものは極まれにしか置かなくなりました。
その理由はいくつかあるのですが。
まず第一に、ある日突然、南ア国籍のお客様がご来店下さり、その方のリクエストに応じて、南アでも最高峰のお品物を入荷するようになった事。
最初の南ア国籍のお客様が日本を去った後でも、複数の南ア関係のお客様が御来店下さり、リクエストに応じてせっせと南アのワインを集めるようになりました。
しかしながら。そんなコアなお客様を除けば、南アのワインを一般的に販売するのは、かなりの努力を要します。「次は南ア」「これからは南ア」と掛け声も勇ましい輸入業者の思惑とは裏腹に。(あ、ちょっと、流通の最前線である小売と、南アワインにたいする一般客の認知度をあまり理解していない輸入業者との間の、意識の乖離を皮肉ってしまいました。)
南アのワインに対する一般のお客様の反応は、ほとんどの場合、「えっ!南アでワインなんか作っているの!!」これです。
「ヨーロッパからの移民が造り始めたので、300年の歴史と伝統があります。」そこから説明を始めなければなりません。
実際は1659年に最初のワインが造られたそうなので、今年で360周年です。
とりあえずお買い求めやすい価格のもので味を知って頂いて、「美味しければ、どこの誰が作ったものかはこだわらない」お客様から御好評を得れば、めでたく定番化です。
そんな南アワインが過去何種類もあったのですが、残念ながら、生産年によって、出来に大きくムラがあるのも事実です。
それが第二の理由。「まだまだ難しいな。」というのが本音です。
さすがに、(南アにしては)高額のワインだと、ムラが少ないので、勢い、棚に並べるワインが限られてきました。
当店の南アの棚に並んでいるのは、南ア最高峰のワイン、「ハミルトン・ラッセル」全商品です。
特に、「ハミルトン・ラッセル」のボトム・エンドである「サザン・ライト」シリーズの赤白「ピノタージュ」と「ソーヴィニヨン・ブラン」が店主大のお気に入り。
世界的にも評価が高まっているとかで、なかなか日本に入って来なくなり、両方とも割り当て制になってしまいました・・・
(ちなみに、ピノタージュとは、南アで作られた交配品種で、ピノ・ノワールとサンソーのハイブリッドです。ピノ・ノワールよりもコクがあり、サンソーよりも苦味が少ない。濃さでいったら、カベルネ・フランくらいでしょうか。)
南半球の産地なので、季節が北半球と半年ずれてますから、最新ヴィンテージは2018です。つまり2018年のお正月くらいに実をつけた葡萄で出来ています。
両方とも入荷即試飲してみましたが、赤「ピノタージュ」は、まだ少しまとまっていない印象。あと半年くらい寝かせた方が良いかも。
白「ソーヴィニヨン・ブラン」は、以前に比べると少しフルーティーさが増した?以前は、分厚くて、ドライで、男性的な印象でしたが、今回はグレープフルーツが勝ってます。
数量限定で販売中です。
サザン・ライト ピノタージュ ウォーカー・ベイ
赤/フルボディ
品種:ピノタージュ 100%
生産者:ハミルトン・ラッセル
産地:南アフリカ
価格:¥4,320(税込)
サザン・ライト ソーヴィニヨン・ブラン ウォーカー・ベイ
白/辛口
生産者:ハミルトン・ラッセル
産地:南アフリカ
品種:ソーヴィニヨン・ブラン 100%
価格:¥3,564(税込)