店主のお気に入り②
2019年4月14日
こんにちは。店主です。
第二弾はここ暫くマイ・ブームの、オーストリアワインを取上げます。
諸般の事情から、日本国内ではあまり見かけないオーストリアワイン。
私も、自分でお店を運営するまで、口にした事がありませんでした。
新規のインポーターを探しにフーデックス(毎年3月上旬の4日間、幕張メッセで開催される、日本最大のフード・エクスポ)に初めて行った際、オーストリアワインのインポーターが合同で展開している大きなブースにヒットしたのが最初の機会だったでしょうか・・・業者の合同試飲会で、オーストリア人のCEOにお会いしたのが先だったでしょうか。今となっては判然としませんが、どちらにせよ、当初はパンチに欠ける印象で、あまり好みとは言いがたい味わいでした(関係者の方々、ごめんなさい)。
しかしながら、最近のオーストリアワインのイノヴェイションには、目を瞠るものがあります。
七年半に渡り、仕入れの為にテイスティングを繰り返すうちに、こちらの味覚も育ってきて、もともと美味しかったオーストリアワインの繊細な味わいを敏感に感じ取れるようになっただけなのかも知れませんが、少なくとも、最近仕入れしている品に関しては、「独自の進化を遂げた」としか言いようの無い、独特で素晴らしい味わいのものが散見されます。
作り手は、長い歴史を持つワイナリーの後継者だったり、農業を生業としている家族の若手だったり、いずれも、若くイノヴェイティヴな生産者達。
既に名声を轟かせているワイナリーに、海外から有名コンサルがやってきてレヴェルアップ、というパターンもありますが、それよりも、若い生産者が、好き放題に実験を試み、勿論情熱を傾け、その結果素晴らしいワインを生んでいる、と私は思います。
この「ユルチッチ」のオレンジとロゼがその典型的な例。
「白ワインでは最も軽い」と言われるグリューナー・フェルトリーナー種で造られたオレンジワイン。
オレンジワインとは、白葡萄の果汁に果皮を浸漬して、色付いたところで分離させて果汁だけ醗酵させたワインで、オレンジ色に色付いたワインです。オレンジの果汁は一切入っておりません。
近頃大流行なのですが、その色の付き具合も味わいも様々。
主流はウィスキーのようにねっとりと苦味のあるジョージア産なのですが、ユルチッチのオレンジはジョージア産の対極を行っています。
するすると飲み易く、最後にほんのり皮の苦味が来る程度。
勿論ワインのお好みは十人十色なので、どちらがより優れていると言う問題ではありませんが、初めて飲んだオレンジがあまりに苦くて辟易していた私には(ニュージーランド産のオレンジでした)、こんなに美味しいオレンジがあるんだ、という事が衝撃的でした。
(ウィスキー好きの当店スタッフは、ニュージーのオレンジを「美味しい」「美味しい」と飲んでいました。あくまで私の好みの問題です。)
一昨年の暮れ、ユルチッチのオレンジの日本初入荷分は僅か96本でした。
試しにインポーターから12本購入してみたら、あまりの美味しさに、「又頂戴ね」と繰り返し購入していたら、いつの間にかインポーター定番の商品になりました。
当店でもすっかり人気商品です。
そして、同じくユルチッチのロゼ。
こちらは昨年の夏頃日本初登場。超限定で、インポーターのカタログにも、ホームページにも載っていない、まさに隠しアイテムです。
昨夏は「オレンジとロゼ」を特集しましたが、ユルチッチに関して言えば、オレンジの方が人気でした。ロゼは、見た目の可愛らしさに反して、「辛すぎる」という御意見多数。
しかし我が家では、「毎晩これでいい」と言うほど、好きなロゼです。
そして更に追加アイテム。
オレンジの上級キュヴェ。その名も「アモーレ・フー(狂おしい愛)」。
スタンダードのオレンジより数段濃厚で、複雑な味わいながら、それに相反するかのような瑞々しさ。
色合いも濁り酒のようで、まさにナチュラル。
こちらもインポーターのカタログにもホームページにも掲載されていない、隠しアイテムです。
数量限定で販売中です。
ユルチッチ ベル・ナチュレレ
白(オレンジ)/辛口
品種:グリューナー・フェルトリーナー
産地:オーストリア
価格:¥3,218(税込)
ユルチッチ ベル・ナチュレレ ロゼ
ロゼ/辛口
品種:ツヴァイゲルト、ピノ・ノワール、グリューナー他
産地:オーストリア
価格:¥3,218(税込)
ユルチッチ アモーレ・フー
白(オレンジ)/辛口
品種:グリューナー・フェルトリーナー
産地:オーストリア
価格:¥5,184(税込)