店主のお気に入り⑤
2019年7月15日
こんにちは。店主です。
極めてのんびりと続けているこのブログですが、満を持して、と言うか、漸く、最も好きなイタリアワイン、そして最も好きな「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」について書く時が来たように思います。
振り返ってみると、前回までのブログで、赤ワインについて触れたのは、南アのピノタージュ一種ですね。これでは、店主は実は赤が嫌いなのでは、と思われかねないですね。
そもそも一番最初に好きになったのはボルドー赤だったので、全くそんな事は無いのですが。
自分で仕入れを始めても、暫くは、赤ばかり仕入れしておりました。
ただ、自分で仕入れてみて、コスパの良い、驚くほど美味しい白に沢山出会うようになったので、その驚きを、お客様、ホームページを訪れて下さる皆様にご紹介したいと思った訳です。
しかし実は店主が一番好きなのは、イタリア・トスカーナの赤、つまりサンジョヴェーゼ種、更に言うと、亜種のサンジョヴェーゼ・グロッソ種。グロッソは「太い」という意味で、スタンダードなサンジョヴェーゼ種よりも濃厚な味わいです。トスカーナの赤と言えば、イタリアワインで最もポピュラーな「キャンティ」若しくは「キャンティ・クラッシコ」。通常の「キャンティ(クラッシコ)」はサンジョヴェーゼ種が主体ですが、同じトスカーナで造られる赤「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」はサンジョヴェーゼ・グロッソ種100%。そしてこの濃厚な味わいの「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」が、店主、大好きなのです。
ワイン・ラヴァーの方にとっては今更ですが、「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」と言えば、「バローロ」「バルバレスコ」と並ぶ、イタリア赤を代表する高級酒。
店主にイタリアワインの美味しさ、そして「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」を教えてくれたのは、はるか昔、20年以上も前、店主の同僚だった、スイス人の女性ソムリエでした(最近は「ソムリエール」と言わなきゃいけないのかな?)。
店主、過去、某地方都市の、サーヴィスマン養成系の専門学校で、長年英語の先生をしておりました。
同僚には、各分野のプロフェッショナルの方々。
ホテル課と観光課が主の学校だったので、現役やOB、OGのホテルマンや、GM、ソムリエ、JTBのOBの方などが沢山いらっしゃいました。
その中でも、スイス人で、故郷の御両親はリゾートホテルを経営しており、仕事はホテル関係の経験のみという、生粋のホテル(ウー)マンのI・E先生を、学校は歩く広告塔として、大いにフィーチュアしておりました。
学校の肝いりで、一般の方を対象に、ワイン講座も開設されました。ホテル課の学生のサーヴィス実習も兼ねて。
それにお付き合いで時々参加しておりました。
毎回、4種のワインと、軽いおつまみ。
20~30人の参加者は、別名「I.E.先生のファン・クラブ」。
皆様、講座の最初の方では、真面目で責任感の強いI.E.先生が用意したきめ細かい資料を前に、神妙にノートを取っているのですが、宴も進行するにつれ、酔いが回って、良い気分。
後半になると、I.E.先生の講義はもはやBGM。
クリスマス直前の講座など、決まってシャンパン講座で、腕に覚えのある学生のピアノやバイオリンの演奏まで加わって、かなり楽しいものでした。
いつもよりドレスアップし、賑やかにさんざめいて、気分はもはやパーティーです。
そんな訳で、I.E.先生には申し訳ないけれども、講座の内容自体は僅かしか記憶に残っていないのです。
それでも、私にとっての一番の収穫は、イタリアワイン、そして「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」の美味しさを知った事です。
とある回がイタリアワイン特集でした。
いつものように4種類のワインの内、赤が2種類。1種類は「ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ」、そしてもう一種類は「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」でした。
両方ともトスカーナの赤で、しかも「ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ」のセパージュ(葡萄品種や、その割合)は、「サンジョヴェーゼ」主体の点が、キャンティ(クラッシコ)にかなり近い。
繰り返し味わい、どう考えても、私の好みは、「ブルネッロ」の方でした。
勿論、「ヴィーノ・ノービレ」の方も、素晴らしくて、大好きですが。
二つのワインの名称を忘れないように、懸命に諳んじて、あちこちのワインショップに探しに行ったものです。
(そして、その価格の高さにビックリして、毎回別のワインを買って帰ったものです。)
時を経て、ワインショップの仕入れをするようになり、取引先のブルネッロは大分飲みました。
その中で、今のところ一番気に入っているのが、こちら。
「ポッジョ・イル・カステッラーレ」の「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」です。
しかし「ブルネッロ」はお高い。
「イル・カステッラーレ」で、「ブルネッロ」にしては底値に近い¥6,480(税込)。
なので、セカンド・ラインの「ロッソ・ディ・モンタルチーノ」もお勧めです。
大抵の場合、葡萄樹が若かったり、葡萄の出来が基準に満たない時に、熟成期間の短い「ロッソ」を造ります。
ワイナリーによっては、「ブルネッロ」と全く同じ葡萄で、違うのは熟成期間だけという「ロッソ」も。
フレッシュ&フルーティーさを楽しみつつ、「ブルネッロ」の片鱗を味わえる訳です。
「ブルネッロ」を口にするとき、そんな20年以上前の事柄をあれこれと思い出すのです。
テヌータ・ポッジョ・イル・カステッラーレ ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ
赤/フルボディ
品種:サンジョヴェーゼ・グロッソ 100%
産地:イタリア/トスカーナ
価格:¥6,480(税込)
テヌータ・ポッジョ・イル・カステッラーレ ロッソ・ディ・モンタルチーノ
赤/フルボディ
品種:サンジョヴェーゼ・グロッソ 100%
産地:イタリア/トスカーナ
価格:¥3,024(税込)